どうも、沖縄移住ブロガーの疾風(@hayate_cwrkh5)です。
未だに震えが止まりません。
沖縄までチャリ 〜7日目〜
すっかり氣が抜けていた朝
昨日の幸せな余韻が残っているのか、朝はぐっすり寝て9時に起床。
そして起きるや否や、美味しい朝ごはん。
ほんとに至れり尽せりで、こんだけ贅沢させてもらうと、この後が怖い...笑
ご飯を食べ終わってから、ゆっくりと準備を始め、10時45分頃に出発。
目的地は兵庫県は姫路市。起伏もなく、平らな道を順調に進んで行く。
ついに雨が降ってきた!
何を隠そう、僕小林疾風は正真正銘の雨男。
- 何かと行事は雨
- デートが終わって帰ろうとすると雨
- バイトに行く時とか終わった後、帰る時だけ雨
などなど。
その雨男たる力は、並大抵のものじゃない。
なのに、どうしたことだ。チャリ旅が始まってから1週間もの間、一度も雨に降られないとは!!!
そんなことを思い浮かべながら、一旦神戸の公園でお昼休憩。
昨日泊まった友人のお母さんが、僕に持たせてくれたお弁当。
おにぎりの塩加減が抜群だったし、韓国のりまでつけてくださって。
海近のベンチで食べてたから雰囲気も上乗せされて一層おいしかった。
と、その時だった。大粒の雨粒が僕の腕に落ちる。
「ようやく来たか。」
なぜか少し喜びつつ、雨粒を浴びながらハイスピードで進む。
途中かなりの量が降るも、降ったり止んだりを繰り返す氣分屋の雨さん。
俺の雨男パワーを、応援してくれている晴れ男・晴れ女のみなさんが支えていてくれているとでも言うのだろうか。(氣のせい)
そうこうしている内に、予定時刻よりも1時間半早く目的地に到着。
「今夜はネカフェだな。」
そう思いながら、ネカフェを探すも、安くなる時間まではもう少しある。
「少し、時間をつぶすか。」
そうして、公営のチャリ置場にチャリを置いて、姫路駅のネカフェ前のベンチに座っていた。
恐怖!?仏法の勧誘方法が笑えない
その時だった。1人のおじさんが声をかけてくる。
沖縄へ行かれるんですか??どちらからいらっしゃったんですか??
これはもしや、泊めてもらえるかもしれないチャンス!!かつ、今日初めて声をかけてもらえた!!とぬか喜びの自分。
横浜からチャリで来てるんですよ!今日が7日目です!今、泊まる場所探してたんですよ〜
ここぞとばかりにアピールする。
そうなんですね〜。実は僕はここが地元じゃなくて隣の加古川ってとこに住んでるんです。
惜しくも通ってきた加古川。ここは諦めようとするも、ネカフェのパック時間帯までは時間があるから話を聞く。
そうなんですね!これから地元に帰られる感じですね!今日はお仕事だったんですか?
いや、今日は買い物に来てたんですよ。
それにしては、バッチリスーツだし、買ってるものもそんなになくないか?って観察を一瞬でするも、そこはあえてのスルー。
政治とかに興味ってありますか?
ん?急に政治?まぁ、いいか。
少しは。僕は23歳なんですけど、周りの人はほぼ政治には興味ないので、いかに面白おかしく伝えられるかを意識してます。
いいですね。安倍政権が今後何をしていくか、今後中国が攻め込んできたりでもしたらどうなるか、最近増えてる天災なんかも心配ですよね。今後ほんとに何が起こるかわからないし、どうなるかもわからない。
おお。急に来たな。だがおっさんよ、俺はチャリ旅で疲れてるんだ。長話は眠くなるぜ。
それから詳しくは覚えてないけど、歴史の話をされた。
打ち首になったお坊さんが、打ち首される直前に天から光が降りてきて刀が粉々になって助かったって話。
あとは、このおじさんは病気で薬を飲んではいけないけど、風邪を引いたら死ぬっていう奇妙な病気にかかってたらしく、それが治ったって話もされた。
あと、新聞。おじさんが載ってるのとか、5万人の男が埼玉スーパーアリーナに集まったって記事。「顕正新聞」って書いてあったな。
確かに新聞は説得力ある。
そのお坊さんが言っていたのは、全てを捨てなさいってことだったんですよ。現代では、神社とか寺に参拝に行かれますよね?でも、それはご法度で、人を殺めるよりも罪があるんです。だから、成仏することができないんですよ。
おお。本格的になってきたな。
でも1日たった15分だけ、朝と夜に時間を作ればいいんです。その時間念じるだけで、無事に成仏できるようになるんですよ。近くに会館があるので15分だけでもどうですか?やり方をやるだけでいいんです。入る入らないは自由なので。
クロージングきた。うまく話を誤魔化しつつ、会話を続ける。
入るのにお金もいらないし、何かを買わなきゃいけないってことでもないんですよ。そうすれば、今後できる自分の子どもとか彼女さんも助けることができますし、何より守ることができる。何か悩み事ができた時も、嘘のように解決するんですよ。
現状そんなに悩みないしな。自分の力でなんとかするよ。そう言えたらいいんだ。でもなぜだか不思議と言えない。
おじさん必死なんだもん。聞いてあげよっかなって思っちゃう。
その時だった。
話の途中あたりから、近くで同じようなスーツを着た二人組がこちらを見てひそひそと会話をしていたことに氣がついていた僕は「きっと助けてくれるんだろうな」って期待してたから、近づいてきてくれた時に、ようやく解放されるって思ったんだ。
こんばんは〜。実は僕も仲間の○○と申します〜。少しだけでいいので、一回会館行ってみません?ものの30分ほどあれば終わるので。
衝撃だった。
グルだったのか。ってことは、現時点で3対1。どう考えてもヤバいし、この人がグルだったという事実が更なる恐怖感を掻き立てる。
この後もおじさんはおじさんで何度か話を続け、新しい人はグイグイと「もう行きましょう!すぐ終わるので!」と強引に連れて行こうとする。
でもあと15分でチェックインの時間なので。。。
と苦し紛れに返すも
それでしたら会館は22時まで空いてますので、チェックインしたあとで大丈夫ですよ!ホテルまで送り向かいもいたしますので!
もうダメだ。何を言っても連れて行かれる。そして、もう一人いると思うと、なおさら怖い。
この時には、もう心底恐怖が募っていたし、なんとかして早く逃げ出したかった。
私はあなたを救いたいだけなんです。ただ一心その思いで、このご縁を大切にしたいのです。このたった一度きりしかないチャンスを。
そうですよ。これも何かのご縁ですから。ささ、行きましょう。
とにかく怖い。
なんと断っても、逃げきれない。全部翻される。
その時、もう一人の男が離れて見ているスーツ姿の男のもとに向かったのを見計らって、目の前のおじさんの良心に最後の力を振り絞って訴えかける。
会館に行くとして、飲み物を持って行きたいのですが、地下の駐輪場に置いてきてしまったので、取りに行ってきますので少し待っててください!
と言って、本当に自転車についている水筒を取りに行く。
安心するな。もしかしたら後を尾けられてるかもしれない。
心拍数が上がり、恐怖感に包まれた中、水筒をとってから逆側の道路の出口に向かって進んで行く。
恐る恐る出口から少しだけ顔を覗かせると、目があった。
心臓が止まるかと思った。
そして、急いでさらに逆側の出口に行くも、またも見られている。
これだ。下手な心霊番組よりも怖いのは。
一番怖いのは人間の執念なんだ。
僕はそこから走って逃げた。
心が落ち着かないし、身体はいまだ恐怖に包まれている。
それと同時に嘘をついて逃げてきてしまったことに対する罪悪感も感じていた。
助けを求めるように、いつもお世話になっている看護師さんに電話をかけて、事情を説明すると、僕にこう助言してくれた。
「罪悪感を感じる必要はありませんよ。入信するつもりなんてないんですから、相手にとっても時間の無駄を省けたんじゃないですか?」
そう言われて救われた。
そうか。こうやって勧誘って断れなくなるんだ。
いつか聞いたことがあるな。返報性の心理。誠意とかに対するお返しをしなくちゃという無意識の感情。
その後、銭湯に逃げ込み、ゆっくりと身体を休め、たまたま駅にいた地元の後輩の家にいる今です。
なんだかんだで、泊まる場所が見つかったのはおじさんのおかげで感謝してるけど、勧誘ってほんとに怖いなって思った1日でした。
おわりに
- ネタになるから
- 興味本位で...
- いい人そうだから
- 話ぐらいは...
なんて人は要注意。格好のターゲットになるから。
迂闊に人も信じられないなって思う。何事も疑ってかかった方がいいですよっていう看護師さんの言葉が身に染みた。
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