「ありのままでいい」
「ありのままの自分が一番!」
「そのままのあなたで素晴らしい」
一世を風靡した「アナと雪の女王」の主題歌でも同じことが歌われてましたね。
ぼくは恥ずかしながら、この言葉を思考停止でそのまま受け取ってました。
ただ、よくよく考えてみると、それじゃいけないってことがよく分かったんです。
- 「ありのままでいい」という言葉の本当の意味は?
- なぜ鵜呑みにしてはいけないのか?
- この言葉が効果を発揮する時ってどんな時?
などを、ぼくの経験をもとにここに残しておきます。
「ありのままでいい」という言葉を鵜呑みにしてはいけない
ありのままでいいと言われる時って?
そもそも、この「ありのままでいい」という言葉はどんな時に使われるか考えてみると
- 誕生日などの祝われる瞬間
- 落ち込んだり、マイナス思考になっている時
- 勇氣付けたり、応援する時
大体がこういったシチュエーションの時に使われると思います。
ぼくが大学時代にずっと好きで所属していた、学生のキャリア支援チームでは特にこの言葉が飛び交っていました。
ありのままでいいと言われてどうなったか?
ことあるごとに「ありのままでいい」と言ってくれることは嬉しいものです。
これを言われてぼくがどういう思考回路になったかというと、
「自分はありのままでいいんだ」
「今のままで全然OKなんだ」
「変わらない自分でいてもいいんだ」
のような感じ。
無条件に認められている氣持ちになって安心できる、いわば精神安定剤のようなもの。
ただ、この思考回路かつこの状態になってしまうと落とし穴があるんですよね。
ありのままでいいの本当の意味
この言葉の本質を見つめて考えてみると「人間的価値は変わらない」というメッセージなんですよね。
たとえ何があろうと「あなたの価値は変わらない」「100点あれば100点のまま」って意味だよなと。
確かに、身につけるスキルによっては、その人の価値は上がるかもしれないし
グータラしてプー太郎になってたら、一見その人の価値は下がるかもしれない。
ただ、ここでいう「ありのままでいい」というのは絶対的価値の保証なんですよね。
誰になんと言われようと、俺はスラムダンクが心から大好きだ!みたいな。
ありのままでいいという言葉の受け取り方を間違えてはいけない
ただし、この言葉を間に受けて一番やっちゃいけないのが
「自分は変わらなくてもいいんだ」と錯覚して、変化を止めてしまうことなんですよね。
ぼくも同じような思考と受け取り方をしていました。
たとえ何があろうと、このままの自分でOKだし、素晴らしいんだって自分に言い聞かせて。
間違えちゃいけないのが、誰も「変わらなくていいよ」とは言ってないんです。
むしろヒトとしての絶対的価値は下がらないけど、変わらなきゃいけないんです。
どういうことかは、以下の一例たちを見つめれば、よくわかります。
- 寝坊や時間を守れない自分だけどありのままでOK
- 結果を出せない自分だけどこのままで素晴らしい
- ありのままの自分を好きになってくれる人がいい
もちろん言いたいことは分かりますが、本当にこれでいいのかどうかは考えれば分かるはず。
厳しいことを言えば、この言葉で自分を護ってる以上は何も進歩しないんだなと痛感したんです。
ありのままでいいという言葉で自分を護ってはいけない
ヒトとしての絶対的価値がなくなる訳じゃないけど、進化していく必要はあるんです。
この言葉に甘えちゃいけない。ありのままでいいという言葉を間に受けてはいけない。
いわば「ありのままでいい」という言葉は「これ以上下がるなよ」って戒めでもあるなと。
この言葉をことば通りに受け取っては、現状維持を続けていればいる程どんどん落ちていく。
先ほど一例の中であげた「ありのままの自分を好きになってくれる人がいい」というものも
恥ずかしながら、ぼくが実際になっていた思考でしたし、それで火傷もしました。
要するにこの氣持ちの本質を探ると「自分のペースを崩すぐらいなら恋愛はいいや」って本音が見えてきて。
でもこれって、実際本末転倒ですよね。
そもそも絶対的に価値観が同じ人なんていない。
お互いに違う存在だからこそ理解するために努力しなきゃだし、一緒にいたいのなら
自分の改善できるところは改善すべきだし、良くできるとこは伸ばす必要がある。
あくまで他人だから、常にその人の価値観も取り巻く環境も変わっていく。
だからこそ、本当は常に変わり続ける必要があるんですよね(*^^*)
ありのままでいいけど、変わり続ける方がもっといい
もちろん、ここだけは変えない方がいいかもしれないって部分もあると思います。
ぼくでいうと、ずっとゲラゲラ笑ってるとか、子どもがめっちゃ大好き過ぎるとか。
そういう部分はむしろ「変わって欲しくない」と言われてきた部分でもありました。
ただ、いつの間にか自分の都合のいいように、他の部分も変わらなくていいと受け取っていたみたいです。
よくよく考えてみれば、至極簡単なことで、変化のないものって飽きますよね。笑
ゲームもそうだし、自分の興味のあることもそうだし、このブログだってそう。
本当に魅力的な人は、絶対的部分を変えず、たくさん魅力を磨いていってるなって。
分かりやすく言えば、引き算をするんじゃなくて足し算をする感じですよね(*^^*)
現状維持に満足することなく、常にいろんな魅力を自分に付け加えていく。
かつ自分の欠点や氣になる部分は改善して人としての人間力を高めていく。
そうすればきっと、自分という人間に飽きることなく、もっと良くなってくんだろうなって。
あとがき
自分の周りでよく使われている「ありのままでいい」という言葉だからこそ
一旦冷静になって、客観的に見つめて、自分なりに落とし所を作ってみました。
きっと「自分らしい」という言葉も同じで、その言葉に甘えることなく進化し続け
絶対的部分が確立できている人が使うと、効果のある言葉なんだろうなと思います。
常に伸ばすべきところは伸ばし、改善すべきところは改善し、よりよい自分へ。
自分というヒトの絶対的価値は落ちないけど、それに甘えちゃダメだよという戒めを込めて。
この記事を書いた人のプロフィール