沖縄までチャリ2016 〜11日目〜
早めに泊まらせてくれる人のお宅へ
昨日の疲れもあってか、足取りは重く、40kmの道のりを4時間で着くはずが6時間ほどかけて進んで、夕方の内に泊まらせてくれる友人のお宅へ。
着くや否や、洗濯をさせてもらったり、シャワーをお借りしたり、なんならご飯まで出てきて。
作ってくれたのが、友人の彼氏さんなんだけども、優しい味なこと優しい味なこと。。。
味噌汁の濃すぎない優しい味わいが身に染みる。
しかもこの煮物が抜群で。山口県の名産をしっかり取り入れてくれているとのこと。
- 岩国市名産の岩国れんこん
- おすそ分けで頂いた新鮮な里芋
他の野菜も農家で自家栽培したものだということで、ほんとうに美味しかった。
しかも、隠し味としてはちみつを入れて、とろみと旨味を引き出してるってあとで聞いて、この彼氏さんの料理のうまさが半端なく伝わった。
実は彼氏さんは漫画家の卵だった
ご飯中に判明したのだが、今日発売のジャンプの別冊増刊であるGIGAに掲載された「ムスビの一番!」という漫画の作者だったという。
その名も「きたむらましゅう」
美味しい料理も作れて漫画家だと...なんて素晴らしいスペックの持ち主なんだ!!!
きたむらましゅうとは
- 1993年12月15日生まれ
- 男
- 広島出身
- B型
- 好きな漫画 :「HUNTER×HUNTER」と「トライガン」
嬉しいことに、同年代。
夢追い人に出逢えたことに感謝!!
活動履歴
- 2010年 : 「プラネット」が第8回ストキン炎のプリンス部門準々プリンス受賞
- 2011年 : 「PHANTOM THIEF -ファントムシーフ-」がJUMPトレジャー新人漫画賞の佳作を受賞(集英社『週刊少年ジャンプ』公式サイトにて掲載)
- 2012年 : 「最強ノススメ」がジャンプNEXT! 2012 SUMMERに掲載されデビュー
- 2016年 : 「ムスビの一番!」がジャンプGIGAに掲載され2度目のデビュー!
今後注目の漫画家の卵です!!!
なぜ漫画家になろうと思ったのか
漫画が好きっていうのと、絵を描くことが好きっていうのが小さい頃にあって。妹が、飼ってる犬の漫画を描いたのを見て、「俺も描いてみよう」と思ったんよね。
なるほどね。
その時にその2つが重なって、それから漫画を描くことが好きになったんよ。
初めて掲載が決まってから今まで
16歳という若い時に、賞を貰うという形で評価されて、とんとん拍子で漫画賞をとってデビューまできて、すごく浮かれてたというか。
ふむふむ。
なんか天狗になってたし、でも、天狗になってることをプロのプライドと勘違いしてたし、何なら天狗になろうとしてた。そんな変な意識を持っちゃったから、悪いデビューの仕方をしてしまったというか。でもそれは自分の失敗だったし、悪かったとこでもあったんよね。
あるあるだよね。
4年越しに掲載が決まって、それまでは何してたん?
最初の掲載から1年ぐらいは、次回作を出していったけど、成功体験というか、悪い形でデビューしちゃってるから、それではうまくいかなかったんよ。これまでと同じやり方でうまくいかないことに苛立ちを覚えたし、なんでうまくいかないんだって。
そういう時って悪いことが重なるもんね。
一時期「ジャンプをやめます!」って痛々しくもツイッターで言っちゃったりして。 漫画家氣取りしてる自分に酔ってたし、ほんと浮かれてたというか、アホみたいにフォロワー数を氣にしてみたりとか。悪いSNSの付き合い方をしてたんよね。
SNSの使い方は慎重にならんとね。
実力として目に見える形で賞を取ってたから、変に上にいるって意識はあったんだけど、新しい作品は描いてないし、ちゃんとした漫画を描けてなかったから、最悪の時だった。まあさぼってたんよね。
有頂天ってやつか。
そんな時に、さぼってた自分に対して、友達の漫画家さんとか担当さんが僕のことを思って「叱咤激励」をしてくれて。目が覚めたかと思いきや、
そこはまだ覚めないんだね。笑
ツイッターはそこでアカウント消したんだけど、いざ漫画を描き出してみるとうまくいかなくて。それまでの成功体験とは逆に、失敗体験が続いて今度は漫画を心底嫌いになって。漫画の話を一切しなくなるというか。
あんだけ好きだったのに、嫌いになっちゃったのか。
その頃、大学で勉強してた教員の道に、より現実的な道に目を向けてシフトし始めてもいたんよね。
教員って選択肢もあったのか。
でも、やっぱりずっと愛憎混在というか、漫画は好きだし、描くことも好きだし、やめられなかった。漫画の話こそしないけど、ずっと想ってるとこがあって。
そりゃ、小さい頃から好きだったんだもんね。
一番大きかったきっかけが、4年時の教育実習で。教員採用試験が迫ってるし、ここがターニングポイントだって考えたときに、教員が嫌いになった訳じゃないんやけど、こんな氣持ちのまま教員になったら未来の自分の生徒に失礼だし、現場の先生方と一生懸命一緒に頑張ったからこそ、ふらふらした氣持ちのままできる訳ないなって。
うんうん
3週間、実習を続けても、まだ答えは、「漫画を描ける先生」か「国語も教えられる漫画家」かまだわからないって生徒たちに伝えたし、悩んでるんだよって等身大の氣持ちを晒して実習を終えて。
正直に伝えるのってすごく勇氣がいるよね。
友達だったり、大学のゼミの先生だったり、彼女にも相談をして、しばらく悩んだ後に、漫画を描いていこうと決心して。漫画家としてもっかい頑張ろうって。
最高だわ。もはや感動。
そこから1年はずっとあーでもない・こーでもないって時折めげつつも、めげるのは半分ぐらいにとどめて頑張って試行錯誤をして、今日まで頑張ってきた。また掲載されるまで4年間も間があってすごい長い時間がかかってしまったけど、半分ぐらいは無駄で、半分ぐらいは無駄じゃなかったかなって。
今後の展開は
タイムリミットまでに、結果を持ってくるというか。真摯に取り組むしかないなと。仕事は遅いし、悩んでしまうタイプだけど、悩み過ぎないように、悩んでしまう癖を直しつつ、上手に悩めるように。
悩みが必要な時もあるしね。
やっぱり俺みたいに若い創作者さんは、「完璧な傑作を出したい」という氣持ちが強過ぎて、作品にできないということが多くて。自分に〆切をすえて、あの時勘違いしていたプロ根性を勉強し直そうかなと。
ましゅうくんならいけるっしょ。そういえば、こんな作品作りたいみたいなのも言ってなかったっけ?
今回は少年誌を意識し過ぎてたから、次回は、もっとダークでかっこいいというか、とにかく泥臭かっこいいだけじゃないかっこよさも出していけたらなと。
いいじゃんいいじゃん!!次回作めっちゃ楽しみにしてるわ!!
おわりに
やっぱり人は誰しも、失敗するものだし、時に天狗になっちゃったり、落ち込むこともあるけれど、それは無駄じゃないんだなって。
「まさに好きこそものの上手なれ。」
やりたいこととか好きなことを自分の職にしようとするのってやっぱりかっこいいしロマンがあるなって素敵な休日を過ごさせてもらいました。
未来の漫画家きたむらましゅうのご活躍に乞うご期待( ´ ▽ ` )ノ
⬇︎12・13日目はこちら⬇︎